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時効制度について

(2009-07-30)

時効とは

一般の人が理解しにくい法律制度の一つに時効制度があります。
時効には、民事上の時効と刑事上の時効がありますが、今、問題になっているのは、刑事の殺人などの凶悪犯罪の時効をなくすべきかどうかです。以前は殺人でも15年たてば時効が完成してしまい、15年と1日目に犯人であることが分かっても逮捕も起訴もできないことになっていました。


なぜ時効制度ができたか?

時効制度が認められた理由は次のように説明されていました。
1 時間がたてば、証拠もなくなる。2 時間が経過すれば、社会も事件のことを忘れて、処罰をする必要性が少なくなる。などというものでした。
しかし、本当にそうでしょうか?現在では、DNA鑑定ができて何十年たっても、ごく微量の毛髪や体液でも鑑定ができ、その精度も1億分の1以下まで鑑定できます。また、被害者の親族が忘れることなどありません。


殺人の時効は廃止せよ!!

小学校教師が用務員に殺害され、自宅の床下に20年以上埋められていた事件をきっかけに時効制度を見直す声が多くなり、数年前には殺人の時効は25年となりましたが、十分ではありません。時効制度の理由が肯定できなくなったのですから、時効制度を廃止し、殺人を犯した者には時効を認めないこととすべきです。殺人者を安閑として眠らせてはならないと考えます。